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『切りとれ、あの祈る手を 〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』

佐々木中(河出書房新社)
興奮しながら読んでしまったので、いつもにましてうまく書けない。
これはすばらしい本。
とにかく読むしかない。
説明は要らない。
本や文学に興味があるのなら読んだほうが絶対に得だ。
読んだ者は明らかに変わる。もしくは狂う。
本は線だらけになってしまったが、そこからいくつか選んでみる。

 他人が書いたものなんて読めるわけがない。読めちゃったら気が狂ってしまうよ。
本を読み、本を読み返すだけで、革命は可能だということになります。
革命は暴力に還元されるものではありません。暴力が先行するのではない。まず根拠を明示したテクストが先行する。テクストの書き換えが先行するのです。

文学こそ革命の根源である、と。

近代国家の祖型、それはこの中世改革者革命における中世キリスト教共同体の成立にあります。
われわれの情報と書類の世界、効率と生産性の世界はここに到来したのです。
つまり統治の情報化と暴力化は同時に起こるのです。「すべて」は情報か、さもなくば暴力になる。

「すべて」が無理矢理に情報か暴力に切り詰められた結果、それでもやはり覆いきれないものがさらに析出してくる。今やこういう言い方をすることができるでしょう。この析出された残余として出現したのが、「主権」と呼ばれる謎めいた何ものかである。

こんな断片だけ並べてもたぶんよくわからないとは思うが、自分のために抜き書きした。
知らない人名、難解な用語は頻出するが、ここには大切なことが書いてある、ということがわかるから読み続けられる。
そして読み続けていけば必ず読める。
私のようなどうしようもない人間でも、暴力革命ではない真の革命のために、うだうだやってないで読み、読み返し、書こう、という気にさせられる。

前著『夜戦と永遠』は相当難しそうだけれど、挑戦してみるか。

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