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『正しい本の読み方』

橋爪大三郎 講談社現代新書

 

ハウツー本が自分で思っているよりも好きなのです。

特に本についてのハウツー本は大好物。

あの橋爪大三郎さんが書いたこんなストレートなタイトルなので思わず買ってしまいました。

口述筆記のような文体で、さらさら読めます。

トピック・センテンス・メソッドで書かれているからさらに読みやすい。

トピック・センテンス・メソッドは、木下是雄さんが書いた『理科系の作文技術』で提唱された書き方。本書で以下のように解説されています。

  トピック・センテンス(主題文)は、段落の内容を代表する文。段落の冒頭に、置くのが原則  ある段落は、あるまとまったアイデアをのべるものだから、トピック・センテンスと矛盾した文を置かない。  文も、長くてはいけない。

トピック・センテンス・メソッドで文章を書くと、どういういいことがあるか。文章の主旨がはっきりして、わかりやすくなる。文章を読むスピードが、速くなる。

さて、橋爪さんは、本を読むのは著者の思想と付き合うことだが、それには「構造」「意図」「背景」を浮かび上がらせながら読むことが必要だといいます。

「構造」はどれが著者の考えで、どれが引用なのか見きわめながら読むこと。論理を考えること。

「意図」は著者が他の著者に対してどういうスタンスでこの本を書いたのかという視点で読むこと。本は必ず先行した本とのネットワークで成り立っているから、その関係性を理解すること。そのためにはある程度本を読んだり知識として知っておくことが必要になってくる。

「背景」は著者のバックボーンとなっている考え方、手法は何なのかを考えながら読むこと。

私は今まで本の「構造」を解明することばかりに集中し、「意図」や「背景」はむしろ無視するように本を読んできた気がします。

だから本を読んでも他の本につながらなかったのか、と反省。

本の中身を覚えられない私は常々劣等感を持ってきたのですが、ありがたい話も書いてありました。

本を覚えるのではなく、本のことを覚える。これで十分です。本のことを覚えるとは、誰が書いた、どんな名前の本で、だいたいどんなことが書いてあったか。よい本だったか、それとも大したことがなかったか、を覚える。 だからこそ大切な本は手元に置いておき、書き込みをしておくこと。

ちなみに、橋爪さんほどの人でも書き込みをするなど戦って読まないと眠くなってしまうそうです。

私は最近図書館を利用して本を読むことが多いのですが、当然書き込みができません。書き写すのも億劫で、そのせいかてきちんと読めていない気がしていました。

これからは図書館の本の読書は立ち読みの延長として、大切な本を見つけるためのきっかけと割り切るようにしようかなあ。そして大切な本が見つかったら極力手に入れるようにしていくことにします。

特別付録の『必ず読むべき「大著者100人」リスト』をチェックしたところ、どう甘く見積もっても三分の一しか読んでおらず、少しため息つきながらも、もう少しがんばらねば、と奮起しました。

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