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ソローキンのどうしようもない小説

あいかわらずまともに本が読めず、こまったものだと思う。
読みたい気持ちはあるのだけれど、本に向かっていく気持ちが弱い。
とりあえず『考える人』2007春号の特集「短篇小説を読もう」の中で、豊崎由美さんが紹介していたウラジミール・ソローキンの『真夜中の客』(『愛』所収 亀山郁夫訳)を読む。

ひどい話である。
豊崎さんの紹介ではこう書かれています。

 これは、妻が夫とその知人によって腕を切断される話なんですが、何のためにそんなことをするのか、夫の知人たちは何者なのかという、これまで読者があたりまえのように教授してきた物語の背景を知る権利を剥奪。(『考える人』№20)

夫婦が自宅で話をしていると、知人二人がやってきて、妻に薬を注射し「空を飛んでいるみたい」な気分になっている間に、斧で腕を切り落とし、腕をスーツケースにしまって去っていく、という話。
何編か読んだが、基本的にスプラッタかスカトロかというオチの話ばかり。
まったくもってひどい。
今はこういうひどい身も蓋もない話の方が教訓や感動を押しつけられるよりはずっと共感できるのは、自分がおかしいのか。

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