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『3月のライオン』

今さらですが、『3月のライオン』(羽海野チカ 白泉社)を1巻から9巻まで読みました。
全然知らなかったのだけれど、尊敬する人がとても面白い、と言っていたので、試しにkindle版で1巻読んでみました。
読み始めて、自分が子供の頃将棋が好きだったことをすぐ思い出しました。
どうして好きになったんだろう。
たぶん父親と指していたからだと思います。
小学校の卒業文集で、名人戦七番勝負に出たい、と書いた記憶があります。
入門書は加藤一二三さんの本でした。
加藤さんが中原さんとの大激戦の末、名人になったときは自分の師匠が名人になったような気になったことがあります。
加藤さんは当時から空咳とか鰻重好きとかいろいろなエピソード満載の人でした(ネットで検索するともっともっとすごいですけど)。
『将棋世界』を購読してるうち、将棋自体より、それを取り巻く言説の方に興味が出てきました(ジャンルそのものよりも、ジャンルを取り巻く言説に興味があるというのは今に至る自分の特徴でもあります)。
いろんな観戦記を読んだり、升田幸三に惹かれて『名人に香車を引いた男』とか、棋譜とか読んでました。
したがって将棋の世界っていろんなキャラクターがいることはわかっていました。
だけどこれをマンガにするって言うのはなかなかすごい。
いろんなキャラクターが出てくるけれど、将棋という世界で戦っているというだけで、おそらく純粋さは担保されているから、決して悪人は出てこない。
これほど純粋で、かつ変な人たちが自分の周りに大勢いるか、というともちろんそんなことはない(自分も含めて)。
だから、私にとってリアリティある魅力的なファンタジーとなっています。
将棋の世界とは別に、ひなちゃんたちの世界も魅力のひとつ。
将棋に料理に友情にほのかな恋やいじめ問題、老い・・・これだけの多様な具材がこれほど適切に調理されている作品を読んだことはないのです。

3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)

3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)

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